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2007年 10月 05日
・そういえば、小森健太郎『探偵小説の論理学』では『ゲーデル、エッシャー、バッハ』の著者ダグラス・ホフスタッターをホフマンスタールと思いきり誤記してしまっている。なかなか含蓄深い間違いではあるわけだが、索引にもなっているのはさすがにチェック不足。まあもうとっくに誰かが指摘してるとは思うけど、要訂正。
・米澤穂信『遠まわりする雛』二編。「本格」ミステリの「お約束」への批判にして「本格ミステリのお約束への批判」への批判であると同時に、「青春」小説批判にして「青春小説批判」への批判?。米澤氏の「日常の謎」へのアプローチは、北村薫から脈々と連なるそれとはまるっきり異なる動機付けに支えられている。とりあえず売らんかな、という事だとは思うけど、どう考えても人をナメ切ったこの作風(=ホメてます)を「さわやか」とか「胸をうつ」などと如何にも表層的にばかり形容するのは正直いかがなものか。それともみんな本気でそう思ってるのかな?。 ・加藤秀一『〈個〉からはじまる生命論』読了。著者は社会学専攻でジェンダー論、性現象論が専門。「ロングフル・ライフ訴訟」ということを本書で初めて知った。この問題に関する著者の見解が本書の核心を成していて、それは説得的なものなのだけれど、僕はちょっと違った考え方を持った。それはロングフル・ライフ訴訟の是非ということではなくて、その動機付けにかかわるものなのだが、今はちゃんと書くだけの時間的、精神的な余裕がない(こんなんばっかでスミマセン)。 ・僕のブレインズ「批評家養成ギブス」、早くも第二回。やっぱり月に二度だとすぐ来てしまうね。今回は「音楽批評」がテーマ。言葉によって音楽に対峙することの本質的な困難は、実際的、現場的にはたやすくカンタンさへと転化されてしまう。その二重の罠に用心しつつ、なおかつ読み手=聴き手と、そして当の批評対象たる音楽と音楽家に何事をなし得るのか。 ・ブレインズの僕の生徒で紅一点のOUIちゃんのお父様が僕と一つ違いのパンクロッカーだと聞いて、複雑な気持ちになりました。ことによったら俺も今頃こんな可愛い娘が、とか苦笑。
by ATSAS
| 2007-10-05 23:02
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