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2007年 09月 14日
本日から24日まで、三鷹市芸術文化センター星のホールで上演される、松井周の作・演出による「劇団サンプル」第二回公演『カロリーの消費』のアフタートークに出演します。 僕が喋るのは9月16日(日)の公演後です。 詳しい情報はココです。 松井周さんは平田オリザ氏の青年団の看板俳優でもあるのですが、劇作と演出も積極的に行なっていて(先日TBSラジオで放送された、宮台真治氏等も出演していた裁判員制度をめぐる特別番組で、青年団の俳優が多数出演していたドラマ・パートの作演出を担当したのも彼です)、自らの劇団「サンプル」を立ち上げて、今年の1月に第一回公演「シフト」を行ないました。その時の感想は、以前このブログにも書きました。 コレです。 実はその後、松井さんとメールのやりとりがあり(その流れで今回のトークに出演することにななったのですが)、先のエントリで僕が書いた若干の疑問(?)についての返答をいただきました。以下にその往復メールの一部を抜粋します。 松井→佐々木 Tue, 22 May 2007 13:57:09 +0900 今更ながら何故血や地の話を持ってきたのかということについて答えます。 「シフト」は楢山節考を読んで思ったことなのですが、近代以前の農民の慣習や生活と現在の市民の資本主義が発達した上での動物化は意外と似ている部分があるのではないかと思ったからです。 データベースを参照して、ある種自動的に行動を選択していくことと慣習を元に生活をしていくことは、「思考しないでいい」という部分では共通するのではないかと思ったのです。 もちろん歴史の積み重ねの中で培われた慣習もあるだろうし、農民の生活の厳しさを現在と比較することはできないとは思うのですが。 とにかく、「個人」という枠が希薄になっていくこと、そして、よさこいでも阿波踊りでもいいですが、「祭り」や「伝統」が資本主義が極まるにつれて、物語として要請されてしまうことを描きたかったのだと思います。 佐々木→松井 Tue, 22 May 2007 20:47:16 +0900 サンプルの種明かし(?)、なるほどと思いました。 たとえば宮沢章夫さんの作品を観ていると、ゼロ年代に八十年代的な方法で六十年代的なことをやる、という感じがすることがあるのですが、これはとりもなおさず、僕自身がそれらのディケイドを跨ぎ越して来て、宮沢さんもそうであるということを前提としての理解で、もしも同様の試みを自分よりもずっと若い人がやっていたら、そういう読解にはならないのかもしれないとも思います。 ブログでの感想で中上なんかを持ち出したのも、そういう時代性を読み込んだ感じになってしまっていて、そもそも現在から発想していなかった、というか笑、 松井→佐々木 Wed, 23 May 2007 00:38:29 +0900 いえいえ、中上健次は僕も好きでとても意識しましたが、その方向を目指すことは自分にとって無理があり、断念したのです。だからと言ってネタとして使ったわけでもなく、どうしてもネタのようにしか描き得ない自分の感覚を前景化し過ぎたかもしれません。 松井さん、勝手に上げちゃってゴメンなさい!!! ともあれ、今度の新作も非常に期待しています。松井さんと話すのも楽しみ。 よろしくお願いします。
by ATSAS
| 2007-09-14 23:58
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