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2007年 06月 30日
・山沢晴雄『離れた家』。かなり期待して読み始めたのだが、期待以上に素晴らしい。論理の精密機械のような純粋本格推理でありながら、どこか奇怪に捻れた所もあって。
・はるばる多摩美まで赴き、先週の大橋可也×東野祥子「9(nine)」の関連トーク・イベント「いかにすればアートを社会とともに革新できるのか」。パネラーは多摩美公演の企画制作を務めた村山季美、大橋可也、ダンサーの手塚夏子、ダンス/美術批評の木村覚。駅からの道が混んでて少し遅れてしまったのだが、最初に多摩美公演のビデオ記録の上映があり、セッションハウスとの違い(結構色んな箇所が違ってた)と、東野さんの事故で途絶してしまったラストの展開がわかってよかった。鼎談の内容については、かなり色々と思うことがあったのだが、これは追って別エントリに纏めたい。タマビにはかなり久々に行ったけど、ムサビとはまるっきり雰囲気が違う。むしろSFCとかみたい。「9(nine)」の会場にもなった伊東豊雄設計による新しい図書館も(外観しか見てないけど)綺麗だった。 ・雨が降ったりやんだり。こういうの一番イヤ。 ・思潮社50周年記念現代詩新人賞を受賞した中尾太一の初詩集『数式に物語を代入しながら何も言わなくなったFに、掲げる詩集』。雑誌で何編か読んだ時の印象よりも、なぜだかずっと瑞々しい。だがこの瑞々しさは両義的でもある。詩の原理を問いつつも同時に己が実存に惑い、日常と生活のあれこれに引っかかりを覚えてしまうのは若き詩人の特権と思うけれど、もっと「他者」と「世界」に対して不寛容であってもよいのではないか、なんて。暫くは映画評とかは書かず、詩だけで勝負していってほしいのだが。
by ATSAS
| 2007-06-30 23:33
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